結論
サーバー管理ソフトの変更(cPanel → DirectAdmin)に伴い、メールの認証方式が「平文パスワード(PLAIN/LOGIN)」から「暗号化通信(SSL/TLS または STARTTLS)」に変更されました。これまで通っていた設定のまま接続すると、認証エラーでメールの送受信ができなくなります。
対処法は一つです。お使いのメールソフトで、以下の2点を修正してください。
- サーバーのポート番号を暗号化用のものに変更する
- 「SSL/TLSを使用する」または「暗号化された接続」を有効にする
以下、原因と具体的な修正手順を説明します。
なぜ設定変更が必要になったのか
cPanelのサーバーでは、平文(暗号化なし)のポート(IMAP:143、POP3:110、SMTP:25 または 587)でもID・パスワードによる接続を許可している場合がありました。
今回移行したDirectAdmin環境では、セキュリティ強化のため平文でのパスワード送信を許可しない設定になっています。パスワードが暗号化されずにネット上を流れることを防ぐための仕様であり、不具合ではありません。
つまり「同じID・パスワードなのに繋がらない」状態は、ソフト側の暗号化設定が古いままになっていることが原因です。
修正すべきポート番号(標準的な設定値)
| 項目 | 暗号化方式 | ポート番号 |
|---|---|---|
| 受信(IMAP) | SSL/TLS | 993 |
| 受信(POP3) | SSL/TLS | 995 |
| 送信(SMTP) | SSL/TLS または STARTTLS | 465(SSL/TLS)または587(STARTTLS) |
※ サーバー名(mail.ご自身のドメイン名 など)はそのまま変更不要な場合がほとんどです。ポート番号と暗号化方式のみの変更で解決するケースが大半です。
※ 上記は一般的なDirectAdminの標準値です。契約サーバーによって異なる場合があるため、確実な値を知りたい方は下記「Webmailで正確な設定値を確認する方法」もあわせてご覧ください。
Webmailで正確な設定値を確認する方法(最も確実)
DirectAdminには「メールアカウント設定手順」を自動生成してくれる機能があります。推測で設定するより、こちらを使う方が確実です。
- Webmail(
https://ご自身のドメイン名/webmailなど)にログイン - メニューから「Email Setup(メール設定)」または「アカウント設定」を開く
- 使用中のメールソフト(Outlook / Thunderbird / iPhoneメール など)を選択
- 表示された設定値(サーバー名・ポート・暗号化方式)をそのままメールソフトに入力
この画面に出てくる数値が、そのアカウントにとって正しい値です。
メールソフト別・設定修正手順
Outlook(Windows / Microsoft 365)
- 「ファイル」→「アカウント設定」→「アカウント設定」を開く
- 対象アカウントを選択し「変更」
- 「詳細設定」を開き、「送信サーバー」タブで「送信サーバーは認証が必要」にチェック
- 「詳細設定」タブで以下に変更
- 受信(IMAP):ポート993、暗号化方式「SSL/TLS」
- 送信(SMTP):ポート465、暗号化方式「SSL/TLS」(または587+STARTTLS)
- 保存してテスト送受信を実行
Thunderbird
- 「アカウント設定」→対象アカウントの「サーバー設定」
- 「接続の保護」を「SSL/TLS」に変更、ポートを993(IMAP)または995(POP3)に変更
- 左メニューの「送信(SMTP)サーバー」を選択し、編集
- 「接続の保護」を「SSL/TLS」に、ポートを465に変更(認証方式は「通常のパスワード認証」のままでよい)
Becky! Internet Mail
- メニューの「ツール」→「メールボックスの設定」を開く
- 「基本設定」タブで、設定対象のメールボックスになっていることを確認
- 「詳細」タブを開き、以下を変更する
- 受信(POP3の場合):「POP3S(SSL)を使用する」にチェック
- 「ポート番号をSSL/TLS標準の995に変更しますか?」の確認ダイアログが出るので「はい」
- 受信(IMAPの場合):「IMAP4S(SSL)を使用する」にチェック
- 同様にポート番号を993に変更する確認が出るので「はい」
- 送信(SMTP):「SMTPS(SSL)を使用する」にチェック
- ポート番号を465に変更する確認が出るので「はい」(587+STARTTLSで運用している場合はポートを587のまま「SMTP認証」欄で調整)
- 「SMTP認証」にもチェックが入っていることを確認(未チェックだと送信エラーになる)
- 「OK」で保存し、テスト送受信を実行
※ Becky!はSSL化のチェックを入れる際にポート番号の自動変更を確認するダイアログが出る仕様なので、手入力より確実です。番号が食い違う場合は先述の「Webmailで正確な設定値を確認する方法」で実際の値を照合してください。
iPhone/iPadの標準メールApp
- 「設定」→「メール」→「アカウント」→対象アカウントを選択
- 「アカウント」→ご自身のメールアカウント名をタップ
- 「受信メールサーバー」でSSLを有効化、ポートを993に
- 「送信メールサーバー(SMTP)」も同様にSSLを有効化、ポートを465に
- 右上「完了」で保存
Androidメール(Gmailアプリで社外アカウントとして利用中の場合)
- アカウント設定画面で「受信サーバー設定」を開く
- セキュリティの種類を「SSL/TLS」に変更、ポートを993(IMAP)に
- 「送信サーバー設定」でセキュリティの種類を「SSL/TLS」に、ポートを465に変更
それでも繋がらない場合の確認ポイント
- 時刻設定のズレ:端末の日時が大きくズレているとSSL証明書の検証に失敗することがあります。自動時刻設定を確認してください。
- 旧ポート(143・110・25)を使うルーターやセキュリティソフトの制限:一部の古いルーターや法人ネットワークでは暗号化ポート(465・993・995)が塞がれている場合があります。別のネットワーク(自宅回線・スマホのテザリング等)で試すと切り分けができます。
- パスワードの再入力:設定変更のタイミングでパスワードの入力欄がクリアされていることがあります。念のため再入力してください。
- メールソフトのキャッシュ:一度アカウントを削除し、上記の新しい設定値で再作成すると解決するケースもあります。
まとめ
今回の変更は、パスワードが暗号化されずにやり取りされる状態を解消するためのものです。手間はかかりますが、一度ポート番号と暗号化方式を直せば、以降は特別な操作なく普段通りお使いいただけます。
設定方法が分からない、上記を試しても改善しない場合は、お使いのメールソフト名と端末(Windows/Mac/iPhone/Android)を添えてお問い合わせください。